
子犬の留守番は何時間まで?月齢別の目安とシッター利用時の考え方
仕事、通院、買い物などで外出するとき、子犬を何時間まで留守番させてよいのか迷う方は少なくありません。
「5時間なら大丈夫」「途中でシッターが来れば安心」と単純には決められません。
大切なのは、合計不在時間だけでなく、子犬が連続して無人になる時間を見ることです。
ma familleでは、月齢ごとの安全側の基準と、途中の訪問前後を含む「連続無人時間」を合わせて確認します。
まず確認したい月齢別の基準
| 月齢・状態 | ma familleの基準 |
|---|---|
| 生後6か月未満 | 数時間の外出を成立させる通常のシッター依頼は、原則対応しません。 |
| 生後6か月以上1歳未満 | 連続無人時間2時間以内を基本にします。シッター利用時は原則1時間程度の滞在を設けます。 |
| 1歳以上 | 連続無人時間4時間以内を基本にします。 |
| 全年齢共通 | 体調不良、不安反応、安全リスクがあれば、短縮または計画を見直します。 |
この表は、「この時間なら必ず安全」という意味ではありません。
子犬の発達、排泄、睡眠、不安反応、安全管理に加え、専門団体の助言や確認できる研究を踏まえて、ma familleが安全側に設定している基準です。
ここで見るのは、1日の合計不在時間だけではありません。
シッター訪問の前と後に、それぞれ何時間続けて無人になるかを確認します。
連続無人時間とは?
連続無人時間とは、子犬のそばに人がいない状態が続く時間です。
外出時間の途中にシッターが入る場合は、次のように分けて考えます。
- 飼い主が外出する
- 訪問前の無人時間を数える
- シッターが滞在する
- 訪問後の無人時間を数える
- 飼い主が帰宅する
たとえば5時間不在でも、訪問時間によって判断は変わります。
中央付近に1時間のシッター滞在を設けると、2時間無人、1時間滞在、2時間無人という計画になります。
一方、シッター滞在が短かったり、訪問時刻が偏ったりすると、前後のどちらかの無人時間が長く残ります。
5時間・9時間不在の考え方
生後4か月で5時間不在
ma familleでは、生後6か月未満の通常のシッター依頼としては対応しません。
この時期の短い留守番練習そのものを、一律に禁止するわけではありません。
その場合は、家庭内で数秒からごく短時間の練習として、段階的に進めるものです。
飼い主が数時間不在になる計画とは分けて考えます。
この場合は、家族、知人、勤務調整、在宅対応、継続的な見守り、適切な預かり環境を優先します。
生後8か月で5時間不在
生後6か月以上1歳未満では、連続無人時間2時間以内を基本にします。
5時間不在の中央付近に1時間のシッター滞在を設け、2時間無人、1時間滞在、2時間無人となる場合は、対応を検討できます。
この場合も、留守番練習、排泄、休息、安全環境、不安反応を確認したうえで判断します。
シッターが30分だけ滞在し、前後に2時間を超える無人時間が残る設計は、ma familleの基準を満たしません。
1歳以上で9時間不在
1歳以上では、連続無人時間4時間以内を基本にします。
基準内の例は、8時に飼い主が外出し、12時から13時までシッターが滞在し、17時に帰宅する計画です。
この場合、訪問前の連続無人時間は4時間、シッター滞在は1時間、訪問後の連続無人時間は4時間です。
一方、8時に外出し、11時から12時までシッターが滞在し、17時に帰宅する場合は、訪問後の連続無人時間が5時間になります。
同じ9時間不在、同じ1回訪問でも、訪問時刻によって判断は変わります。
9時間不在なら必ず2回訪問になるわけではありません。
一方で、1回訪問なら必ず対応できるわけでもありません。
個体の状態によっては、基準内でも短縮や追加対応を提案します。
留守番時間を短くした方がよいサイン
月齢の基準内でも、次の状態がある場合は留守番計画を見直します。
体調面では、嘔吐、下痢、頻尿、食欲不振、ぐったりしている様子があれば、まず獣医師への受診を優先します。
行動面では、ひとりになると激しく吠え続ける、歩き回り続けて休めない、過度なよだれや震えが続く、ドアやサークルを壊そうとする、逃走、自傷、誤飲の危険がある場合に注意します。
安全面では、室温管理、誤飲対策、逃走防止、転落防止、トイレや休息場所が整っていない場合に見直します。
あくび、口をなめる、パンティング、歩き回りなどは、単独で不安の証拠とは判断しません。
室温、直前の運動、眠気、食物、周囲の音なども確認します。
複数の行動の組み合わせ、出現する状況、継続時間、実際に横になって睡眠や休息が取れているかを見ます。
シッターが来れば長時間でも大丈夫?
シッター訪問で補えるのは、生活の一部です。
水、食事、トイレ、室温、安全環境、体調変化を確認できます。
訪問中の様子を記録し、飼い主が次の判断をしやすくすることもできます。
一方で、短時間の訪問だけで、長時間の無人状態による負担をすべて補えるとは考えていません。
特に生後6か月以上1歳未満では、原則として1時間程度の滞在を設けます。
これは、無人時間による負担を機械的にリセットするための時間ではありません。
排泄、食事、水分、安全、体調を確認し、必要に応じて適切な活動や社会的接触を提供します。
そのうえで、訪問後に再び落ち着いて休める状態へつなげられるかを見ます。
人の訪問によって覚醒し、その後休めなくなる子もいます。
訪問前から強い不安状態が続いていた場合、訪問を挟むだけでは対応できません。
訪問後の録画や飼い主の観察も含め、生活全体で評価します。
留守番練習はどう進める?
留守番練習は、子犬が不安にならない短さから始めます。
部屋を出てすぐ戻る、落ち着いていたら静かに日常へ戻る。
このような小さな練習から始めます。
時間を伸ばすのは、子犬が食べる、遊ぶ、横になる、眠るなど、落ち着いた行動を見せているときです。
吠え続ける、ドアに張り付く、よだれが増える、眠れない場合は、時間を短く戻します。
怖い経験を我慢させるのではなく、安心できる条件を積み上げます。
なぜこの基準で考えるのか
今回確認した査読研究からは、すべての子犬に適用できる留守番時間の絶対的な上限は確認できませんでした。
留守番計画を考えるうえで、特に大切なのは次の3点です。
- 同じ月齢でも、留守番中の反応には個体差がある
- 静かに見えることだけで、負担がないとは判断できない
- 現在の研究だけで、月齢別の絶対的な安全上限は決められない
Frankらのパイロット研究では、家庭で単独になった子犬の行動が録画され、休息、探索、発声などの現れ方には個体差があることが報告されています[7]。
この研究は、月齢別の安全な留守番時間を示すものではありません。
Daleらは、子犬の分離関連行動を予防するための飼い主向け助言について、その効果を検討しています[8]。
特定の方法ですべての子犬の問題を予防できると示した研究ではないため、結果は慎重に扱います。
RehnとKeelingの研究は成犬を対象としています[9]。
留守時間の違いが、留守中の目立つ行動だけでなく、飼い主との再会時の反応などに表れる可能性を考える補助資料になります。
この結果から子犬の安全時間を決めたり、4時間まで問題がないと判断したりすることはできません。
専門団体の資料も確認しています。
RSPCA UKは、犬をひとりで過ごせるようにする練習を短い時間から段階的に進め、犬が不安を示す場合は前の段階へ戻すよう助言しています[1]。
同じ資料には、犬一般について4時間を超えて残さないという助言があります[1]。
これは子犬の安全上限を示す査読研究ではありません。
RSPCA UKのトイレトレーニング資料では、子犬に頻繁な排泄機会を与えることが助言されています[2]。
これは排泄学習のための助言であり、留守番可能時間を測定した研究結果ではありません。
AAHAの行動管理ガイドラインでは、犬猫の行動評価で年齢、発達、健康、環境、早期介入が重視されています[5]。
WSAVAの動物福祉ガイドラインは、福祉を身体、心理、社会、環境の面から捉える枠組みを示しています[6]。
AVSABのポジションステートメントは、子犬期の社会化と報酬ベースのトレーニングを考える際の参考になります[3][4]。
基準内でも慎重に判断するケース
生後6か月未満
生後6か月未満の子犬については、飼い主の外出を成立させることを目的とした通常のペットシッター依頼は、原則として受けません。
迎え入れ直後、生後3か月前後まで、留守番練習ができていない場合は特に慎重に扱います。
この時期は、家庭内でごく短い練習を積みながら、家族、知人、在宅勤務、勤務調整、継続的な見守り、適切な預かり環境を優先します。
生後6か月以上1歳未満
基準内の時間でも、留守番練習が進んでいない場合は慎重に判断します。
シッターを利用する場合は、原則として1時間程度の滞在を設けますが、滞在時間だけで判断しません。
月齢を満たしていても、留守番練習、排泄、食事、水分、睡眠、不安反応、安全環境、体調に問題があれば、さらに短くするか対応を見直します。
1歳以上
1歳以上でも、留守番中に休めない場合は時間を短くします。
4時間を超える不在では、シッター訪問、家族、知人、預かりなどを組み合わせます。
1歳は、すべての犬が急に長時間留守番できる境界ではありません。
ma familleが運用上、安全側に設けている区分です。
留守番計画のセルフチェック
計画を立てる前に、次を確認してください。
- 月齢に応じたma famille基準内に収まっている
- 訪問前後の連続無人時間を計算している
- 留守番中に実際に横になり、眠るか休めている
- 排泄、食事、水分、体調に無理がない
- 激しい吠え、破壊、逃走、自傷、過度なよだれがない
- 誤飲、逃走、転落、室温のリスクを管理できている
- うまくいかない場合に、時間を短く戻せる
- 家族、知人、在宅勤務、預かりなどの代替手段がある
迷う場合は、月齢、外出時間、訪問希望時刻、留守番練習の状況を整理して相談してください。
カメラや普段の様子で分かる不安反応の有無も、判断材料になります。
サービス利用を前提にせず、その子にとって無理の少ない方法を一緒に考えます。
FAQ
Q. 生後6か月未満でも短い留守番練習はできますか?
A. 家庭内で数秒からごく短時間の練習を行うこと自体は否定しません。ただし、飼い主が数時間不在になる計画を、短時間のシッター訪問で成立させることとは分けて考えます。
Q. 留守番カメラでは何を見ればよいですか?
A. 吠えだけでなく、歩き回り、出入口への張り付き、よだれ、あくび、パンティング、横になって休めているかを確認します。単一の行動ではなく、状況、継続時間、複数の行動を合わせて見ます。
Q. 体調不良と不安反応は、どちらへ相談すればよいですか?
A. 嘔吐、下痢、頻尿、食欲不振、ぐったりなどは獣医師への受診を優先します。激しい吠え、破壊、逃走、自傷などが続く場合も、まず身体的な問題を獣医師に相談し、必要に応じて獣医行動診療や適切な行動専門家を検討します。
まとめ
子犬の留守番時間は、月齢だけで「何時間まで」と決めるものではありません。
まず外出予定から連続無人時間を計算し、月齢ごとのma famille基準に照らします。そのうえで、排泄、食事、水分、睡眠、不安反応、安全環境、体調を確認します。
留守番中に横になって休めているか、訪問後に落ち着いて過ごせるかも大切な判断材料です。シッターの滞在は生活を支える手段ですが、長い無人時間の負担を機械的に消すものではありません。
基準に収まらない場合や不安反応が続く場合は、シッターだけで調整せず、家族、知人、在宅勤務、預かりなどを組み合わせます。ma familleでは、科学的に一律の安全時間が示されていないことを前提に、その子にとって無理の少ない留守番計画を考えます。
参考文献
- RSPCA UK. “Training your dog to be left alone.” 専門団体の飼い主向け助言. 公開年不明. Training your dog to be left alone. 参照日: 2026-07-28.
- RSPCA UK. “Toilet training your puppy or dog.” 専門団体の飼い主向け助言. 公開年不明. Toilet training your puppy or dog. 参照日: 2026-07-28.
- American Veterinary Society of Animal Behavior. “AVSAB Position Statement on Humane Dog Training.” 専門団体のポジションステートメント. 2021. AVSAB Position Statement on Humane Dog Training. 参照日: 2026-07-28.
- American Veterinary Society of Animal Behavior. “AVSAB Position Statement on Puppy Socialization.” 専門団体のポジションステートメント. 2008. AVSAB Position Statement on Puppy Socialization. 参照日: 2026-07-28.
- Hammerle M, Horst C, Levine E, Overall K, Radosta L, Rafter-Ritchie M, Yin S. “2015 AAHA Canine and Feline Behavior Management Guidelines.” Journal of the American Animal Hospital Association. 2015;51(4):205-221. doi:10.5326/JAAHA-MS-6527.
- WSAVA Animal Welfare Guidelines Group. “WSAVA Animal Welfare Guidelines.” Journal of Small Animal Practice. 2019;60:E1-E46. doi:10.1111/jsap.12998. WSAVA Animal Welfare Guidelines. 参照日: 2026-07-28.
- Frank D, Minero M, Cannas S, Palestrini C. “Puppy behaviours when left home alone: A pilot study.” Applied Animal Behaviour Science. 2007;104(1-2):61-70. doi:10.1016/j.applanim.2006.05.003.
- Dale FC, Casey RA, Burn CC. “Efficacy of advice for preventing separation-related behaviors in puppies: A video trial and separation test.” Journal of Veterinary Behavior: Clinical Applications and Research. 2026;83:52-68. doi:10.1016/j.jveb.2025.11.002.
- Rehn T, Keeling LJ. “The effect of time left alone at home on dog welfare.” Applied Animal Behaviour Science. 2011;129(2-4):129-135. doi:10.1016/j.applanim.2010.11.015.

